いくつかある病院の診療科の中でも特に難しいといわれるのが小児科だ。小児科とは文字通り子供を対象とした診療科で、基本的な病気の治療はもちろん、予防接種や乳児健診などが主な仕事になる。この診療科でナースとして働く上で必要となるのが幅広い病気の知識だ。
病気の中には、感染症やアレルギーなど子供の時にしか症状が現れないものも数多くある。ナースになるために身に付けた知識の大半は一般的な病気に関することなので、こうした小児特有の病気に対する知識は新たに身に付けなくてはいけない。
また、同じ病気でも成人と子供では服用する薬の量や種類が違うためこれらの知識も必要だ。子供は自分の体調の変化を理解していないケースも多く、少ない情報から見極める観察力も重要なスキルの一つにあげられるだろう。
知識と共に身に付けておかなければいけないのが医療技術だ。検診のための採血や治療目的で行う点滴も、成人と子供では大きな違いがある。子供は成人に比べてルートキープが難しい上に血管が細いため、泣き叫ぶ子供をなだめながら細い血管に正確に注射針を刺す技術を持っていなければいけない。
外来で勤務をする場合に日常的に起こるのが、予防接種のスケジュールや検診の頻度についての相談だ。同じ子供でも過去にかかった病気や月齢によってタイミングは異なる。
保育所に預け始める時期も大事なポイントになるので、これらの情報を元に最適なスケジュールを提案できるようにしなくてはいけない。